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(2007.12.28)
■ [book] アジャイルプラクティス
光栄なことに翻訳の査読をやらせていただいたので、本書に関しては発売前に一通り読むことができた。しかし、献本していただいたものを改めて通読してみた。一言で言えば、グッジョブすぐる。
そして、本書を読み始めてすぐ、「コレハ!」と思ったところに付箋を付けていく、という方法は早々に破綻しそう(付箋がいっぱいですごいことになりそう!)なことに気づき、アンダーラインを引いていくことに切り替えた。
最初のプラクティス「成果をあげるのが仕事」に従えば、監訳者の角谷さんと木下さんは、これを十分にクリアした。この本はただの翻訳書ではない。見事なローカライズがなされている。原著をあたる方がいい翻訳書はたくさんあるけれど、この本に限っては違う。
成果(アウトプット)について触れたけれど、この本ができていく過程に一部関わらせてもらった感想として、そのプロセスもまた素晴らしかったことを付しておく。この過程も含めて本書の評価に反映せざるを得ない。
本書は「プラクティス」という名前を関している。このプラクティスが指しているのは「心構え」であったり「習慣」であったりするのだけど、本書にはその具体的なインプリメンテーションは書かれていない。それでいてなお、実践的だ。
アジャイルプラクティスを実装するのはあなたのチームであり、本書はそのためのテストコードになると思う。本書を読み終えた段階はテストコードが揃った状態であり、最終ページに書いてあるように、「これからが本番」と言える。
監訳者紹介文に倣って、私もプラクティスベスト3を挙げておく(3つに絞るのはとても大変だった)。
- 5.「変化に付いていく」
- 34.「警告をエラーとみなす」
- 41.「メンターになる」
咀嚼して、飲み込んで、そしてまた反芻していきたい、そんな本に出合えた僥倖を素直に喜びたい。
本書を通じて、自分の中にメタファーを持つことの意義にあらためて気づいたけれど、それはまた別の機会に。