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(2007.09.19)

[book] 生物と無生物のあいだ

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)


やや冗長な部分があるように感じたけれど、初出は連載モノだったということで納得。 一般向け生物学書籍として、この本はとても良書です。 この切り口では弾さんの書評がうまく書いてくれています。

そして、私はこの本にもう一つの切り口を見出しました。 そう、本書はアジャイラーを標榜する人ならば必読の本と言いたいです。 あるいは、別にアジャイルとかどうでもいいと思っていても、 しなやかで変化に対応していけるチームで仕事がしたいと思っているエンジニアは読むべきです。

私が「XPと生態学」のトークで、生態学を中心としたマクロ系生物学の視点で伝えたかったことが、 この本では分子生物学・細胞生物学などのミクロ系生物学の方向から鮮やかに読み取れるのです。 おそらく、ミクロ系の切り口で物理的現象をベースに書かれている方が、腑に落ちるエンジニアも多いと思います。

つまるところ、あのときのスライドの25枚目で言っていた、 「疲弊せず、持続可能で、ダイナミックに変化していくプロジェクトチームの運営」 と同じ事を、この本の端々から感じ取れるはずです。

これを端的に言い表している言葉が、章タイトルにも使われている「動的平衡」という言葉です。 私のトークだと「持続可能で、ダイナミックに変化していく」という部分に対応します。

動的であるからこそ変化の中で平衡を保っていける(変化が起きた時に次の平衡点まですぐに移行できる)ということが、すごくよくわかるんじゃないかと思います。

最後に少し引用します。

それは外界(環境)の変化に応答して自らを変えられるという生命の特徴、つまり可変性と柔軟性を担保するメカニズムとなりうる点にある。
動的な平衡が持つ、やわらかな適応力となめらかな復元力の大きさにこそ感嘆すべきなのだ。

ね、読みたくなったでしょ?

ツッコミ

くっしー あんたに言われんでも、読みたい本やったけん、いつか読むばい。 (2007/09/20 01:23:48)

あまのりょー ぐはっ (2007/09/20 01:30:20)

放蕩無頼 >必読の本
激しく同意!生物と機械の違いのくだりは、アジャイル臭ぷんぷんですねー。
個人的にはアンサング・ヒーローの章が、エンジニア魂(いんちきエンジニアだけど)を刺激しやす。 (2007/09/20 02:03:24)

戯音 未読です。「ふわっと」した感じでしょうか。上質のクッションを押し潰して手を離したときみたいな。(いや、生物はそれ以上か。そういや最高のクッションは動物の筋肉なんですって?)
ソフトウェアも名前(SOFT)のごとく「ふわっと」したものになるといいなあ… (2007/09/20 06:58:27)

ogijun 本当に素晴しい本。ソフトウェアって動的平衡が目標だったんだー、て思いますよね。 (2007/09/20 07:39:21)

michi 別の友人にも私が好みそうな本なので読めって言われてます!
やっぱりょーさんも読んでおられたかーやられたー (2007/09/20 09:24:16)

やっとむ こないだ読みましたー。ってりょーさんに薦められたのではなかったか??動的平衡、がエンジニアリングに持ってこれたら楽しそう。 (2007/09/20 10:09:30)

あまのりょー エンジニアの皆さんからこんなに反応があって、嬉しいですね。ogijunさんも読んだのですね(^^
michiさんには、一般向けの生物学の本として普通におすすめでございます!
(2007/09/21 00:12:57)

本棚で後回しにしてました。早めに読んでみます! (2007/09/25 07:04:04)

すだち師匠 本棚で後回しにしてました。早めに読んでみます! (2007/09/25 07:04:34)