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(2013.03.12)
■ 素晴らしき哉!
スティーブン・J・グールド博士、という方がいます。いや、残念ながらすでに鬼籍に入っていますので、いました。
古生物学者、進化生物学者として活躍する傍ら、生涯にわたってその知見をアカデミックだけではなく一般向けにも発信していた素晴らしい才人です。
氏が唱えていた「断続平衡説」という進化に対する仮説そのものは現在の進化生態学の世界ではややビミョーな位置にいることは否めないのですが、それでも私自身の生命史観、ナチュラリストとしての価値観に大きな影響を与えたこと自体は間違いありません(ほかには コンラート・ローレンツ博士や、日高敏隆先生の影響は非常に大きいです)。
氏の代表的な一般向け著作を一冊だけ、といえば、おそらく「ワンダフル・ライフ」かと思いますが、御多分にもれず、私もこの本はずいぶんぼろぼろになるまで読みました。
私にとってこの本が特別なのは他にもわけがあります。実はまったく別の経路でお気に入りだった "It's a Wonderful Life" (邦題「素晴らしき哉、人生!」)という映画があって、「ワンダフル・ライフ」の書名はこの映画から本家取りしているのです。(この映画自体は著作権切れで、合法的に無料でYouTubeなどで閲覧出来ますので興味がある方は検索してみて下さい)
この映画は、一言で言うと人生における「偶然」の作用の重要さについて取り扱っているのですが、それが生物進化における「偶然」の作用とアナロジーとして捉えられているのですね。
私も、ちっちゃなことですが「偶然」のめぐり合わせには何度も救われています。特に、一緒に乾杯して杯を重ねる仲間との出会いは、そのひとつひとつをとると「偶然」以外の何物でもないのですが、これによって得ている幸福感はプライスレスとしか言えませんね。すべての「偶然」とそこから生じた至福に、ヨンキュー! It's a Wonderful Life!
Takaaki 初耳の学者さんです。
グールドというと、僕は個性的なピアニストの名前を連想します。
日高敏隆氏といえば、岸田秀との対談や、筒井康隆関連で名前を聞いたことが、ありますが・・・・
触れる機会があれば、ぜひ一読させてもらいたいです。
(2013/03/20 12:00:58)